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今回は、行政書士試験の一般知識問題対策の情報提供になります。

テーマは前回に続き「消費者契約法」です。

今回は、無効となる契約条項を見ていきます。

この無効となる契約条項につきましては、消費者契約法の規定は非常にややこしくなっておりますので、大まかに説明いたします。

1.事業者の損害賠償責任を免除する条項等

事業者の債務不履行や、事業者の債務の履行時に行われた事業者の不法行為について、事業者の損害賠償責任を免除する条項等は無効になります。

例えば、売買契約に「事業者は、いかなる場合も損害賠償責任を負わない」という条項が設けられた場合、この条項は無効となります。

2.消費者の解除権を放棄させる条項等

事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させたり、事業者に解除権の有無を決定する権限を付与する条項は無効になります。

例えば、売買契約に「消費者は、いかなる場合も契約を解除できない」という条項が設けられた場合、この条項は無効となります。

3.後見開始の審判等による解除権を事業者に付与する条項

事業者に対し、消費者が後見開始、保佐開始又は補助開始の審判を受けたことのみを理由とする解除権を付与する条項は無効になります(消費者が事業者に対して物品等を提供する契約は除きます)。

例えば、賃貸借契約に「賃借人が後見開始の審判を受けたときは、賃貸人は直ちに契約を解除できる」という条項が設けられた場合、この条項は無効になります。

4.消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等

契約の解除に伴う平均的な損害額を超える条項や、遅延損害金について年利14.6%を超える条項は、その超える部分が無効になります。

例えば、賃貸借契約に、「賃料の支払いが遅れたときは、年30%の遅延損害金を支払う」という条項が設けられた場合、年利14.6%を超える部分は無効になります。

5.消費者の利益を一方的に害する条項

任意規定の適用による場合に比べ、消費者の権利を制限し、または義務を加重する条項であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効になります。

例えば、特に正当な理由もなく、「消費者に履行遅滞があった場合、事業者は催告なしに契約を解除できる」という条項が設けられた場合、この条項は民法541条の規定と比べて消費者の権利を制限するものになりますから、無効となる場合があります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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