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今回は、行政書士試験の一般知識問題対策の情報提供になります。

テーマは前回に続き「消費者契約法」です。

それでは、事業者が契約の勧誘をする際に、一定の行為を行った場合に、消費者が契約を取り消すことができる場面の続きを見ていきます。

6.不安をあおる告知

事業者が、社会生活上の経験が乏しい消費者に対し、社会生活上の重要な事項(進学、就職等)や身体の特徴等に関する重要な事項(容姿、体型等)の願望の実現に対する不安を知りつつ、その不安をあおり、物品等の契約の目的となるものが願望の実現に必要であると告げた場合です。

例えば、婚活中の女性の不安を知りながら、「このままでは一生結婚できない。このセミナーへの参加が必要」と告げて婚活セミナーに申し込ませた場合などが該当します。

7.恋愛感情に乗じた人間関係の濫用

事業者が、社会生活上の経験が乏しい消費者に対し、契約の勧誘者に対して恋愛感情等を抱き、かつ、当該勧誘者も消費者に対して同様の感情を抱いていると誤信していると知りながら、これに乗じ、契約を締結しなければ関係が破綻すると告げた場合です。

例えば、消費者に対して勧誘者が恋愛感情を抱かせ、それを知りながら「契約しないなら別れる」と告げて契約させた場合などが該当します。

8.加齢等による判断力の低下の不当な利用

消費者が、加齢等による判断力の著しい低下により現在の生活の維持に過大な不安を抱いていると知りながら、その不安をあおり、契約を締結しなければ現在の生活の維持が困難になると告げた場合です。

例えば、認知症で判断力が著しく低下した消費者の不安を知りながら「この健康食品を購入して食べないと、健康維持ができない」と告げて契約させた場合などが該当します。

9.霊感等による知見を用いた告知

消費者に対し、霊感等の特別な能力による知見として、そのままでは重大な不利益が生ずると示して不安をあおり、契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避できると告げた場合です。

例えば、「私には霊感がある。あなたには悪霊が憑いていて、このままでは1年後に死亡するが、この壺を買えば悪霊が退散する」と告げて契約させた場合などが該当します。

10.契約締結前に債務の内容を実施等

消費者が契約の申込や承諾の意思表示をする前に、契約を締結したならば負うこととなる義務の内容の全部又は一部を実施し、原状回復を著しく困難にした場合です。

例えば、さお竹屋が消費者から注文を受ける前に、消費者が必要な寸法にさお竹を勝手に切断し、代金を請求したため、消費者が断り切れず購入してしまった場合などが該当します。

消費者が契約を取り消すことができる場面は以上です。

次回は、「無効となる契約条項」についてご紹介いたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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