今回は、行政書士試験の一般知識問題対策の情報提供になります。
テーマは「消費者契約法」です。
平成29年度の行政書士試験では、「消費者問題・消費者保護」からの出題があり、また、行政書士試験の試験委員である沼尾波子教授(東洋大学)は、2019年6月に実施された「第20回 地方消費者行政専門調査会」に説明者として参加されておりますので、消費者問題は、沼尾教授の専門分野の1つと考えられます。
今回は、消費者問題に関する内容のうち、「消費者契約法」を見ていきましょう。
消費者契約法は、消費者の利益を保護するため、消費者・事業者間の契約について、一定の場合に消費者が契約の申込みや承諾の意思表示を取り消したり、一定の契約条項は無効となること等を定めております。
まずは、事業者が契約の勧誘をする際に、一定の行為を行った場合に、消費者が契約を取り消すことができる場面から見ていきます。
1.不実告知
重要な事項について事実と異なることを告げ、消費者が事実と誤認した場合です。
例えば、中古車を購入する際に、事業者から事故車ではないと説明されていたのに、実際には事故車だった場合などが該当します。
2.断定的判断の提供
契約の目的となるものに関し、将来の価額等の変動が不確実な事項につき断定的判断を提供し、消費者がその断定的判断の内容が確実であると誤認した場合です。
例えば、外債を購入する際に、証券会社の担当者から「円高にはならない」と言われたのに、実際には円高になった場合などが該当します。
3.不利益事実の不告知
重要事項等について、消費者の利益となる旨を告げ、かつ、消費者の不利益となる事実を故意又は重過失によって告げなかった場合です。
例えば、土地の購入をする際に、不動産会社が隣地に大型マンションが建設されることを知りながら、その説明をせず、「日当たり良好」とのみ説明され、購入1年後に大型マンションが建設されて、全く日が当たらなくなった場合などが該当します。
4.不退去
事業者に対し、消費者が、その住居等から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しない場合です。
例えば、自宅に羽毛布団を販売に来たセールスマンに対して、「買わないので帰ってほしい」と何度も告げたにもかかわらず、長時間居座り、帰らないので仕方なく購入してしまった場合などが該当します。
5.退去妨害
事業者が契約の締結について勧誘をしている場所から消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から退去させない場合です。
例えば、営業所で圧力鍋の購入を勧められ、「買わないので帰る」と何度も告げたにもかかわらず帰らしてもらえず、仕方なく購入してしまった場合などが該当します。
続きは次回のブログでご紹介いたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。