この記事をシェアする!

今回は、行政書士試験の一般知識問題対策の情報提供になります。

テーマは前回に引き続き「EU」です。

今回はEUの「主要機関」を確認していきます。

「欧州理事会」

EUの首脳会議のことで、EU各国首脳、欧州理事会議長及び欧州委員会委員長で構成される政治レベルの最高協議機関になります。

通常年4回開催され、一般的な政治指針の策定や、優先課題などを決定します。

「欧州連合理事会(EU理事会)」

EU各国の閣僚級代表により構成される立法機関で、議題は多岐にわたり、外務理事会、総務理事会、経済・財政理事会など、分野毎に理事会が設けられ、開催されます。

「欧州委員会」

EUの政府といえる執行機関で、各加盟国より1名ずつ任命される委員で構成されます。

省庁に相当する「総局」に分かれ、政策、法案を提案、EU諸規則の適用を監督します。

「欧州対外活動庁」

EU版外務省です。

職員は、欧州委員会、欧州連合理事会事務局、加盟国政府関係者から構成されます。

EUの外交政策を立案、執行します。

「欧州議会」

加盟国において直接選挙によって選出された議員で構成される立法機関です。

但し、法案の発議権はありません。

特定分野の立法における欧州連合理事会との共同決定権、EU予算の承認権、欧州委員会の新任の委員について一括承認権等を有しています。

「欧州司法裁判所」

EUの最高裁判所です。憲法裁判所、国際裁判所、行政裁判所、労働・普通裁判所としての機能を併せ持ちます。

加盟国の国内裁判所で提起されたEU法上の問題について、審判の前提として意見を求める「先行判決」を下す制度を有しています。

そのほかに、欧州中央銀行、欧州会計検査院、経済社会評議会、地域評議会、欧州原子力共同体、欧州投資銀行等の機関があります。

平成23年 行政書士試験 問題50 選択肢ア

最後に、平成23年の行政書士試験の問題50の選択肢アの正誤を考えてみてください。

EU(欧州連合)域内では、シェンゲン条約により域内での国境通過にかかる手続などが大幅に簡素化され、また、共通通貨ユーロがすべての加盟国に導入されており、加盟国がEU域内で自国産業の保護を行う手段は、関税と補助金に限定されている。

答えは「誤り」です。前回の「EU(その1)」で紹介しましたが、ユーロはすべての加盟国で導入しているわけではありませんね。

なお、EUは加盟国間で関税同盟を結んでいるため、加盟国間の貿易(域内貿易)では関税は課されませんから、「加盟国がEU域内で自国産業の保護を行う手段は、関税・・・に限定されている。」という点も誤りになります。

この記事をシェアする!