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以下の文章の正誤を、〇×で答えましょう。

家庭裁判所は、郵便転送の嘱託の審判があった後に事情の変更が生じたときは、成年被後見人、成年後見人若しくは成年後見監督人の請求により、郵便転送の嘱託の審判を取り消し、又は期間の伸長等の変更をすることができるが、職権により、郵便転送の嘱託の審判の取り消しを行うことはできない。


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まずは、条文を読みましょう。

第860条の2第3項 家庭裁判所は、(郵便転送の嘱託の)審判があった後事情に変更を生じたときは、成年被後見人、成年後見人若しくは成年後見監督人の請求により又は職権で、(郵便転送の)嘱託を取り消し、又は変更することができる。ただし、その変更の審判においては、(郵便転送の嘱託の)審判において定められた期間伸長することができない

 
成年後見人は、成年被後見人の財産を管理するために、郵便転送の制度を利用することができます。

ただ、この制度は、やはり、成年被後見人のプライバシーを制限する側面が強いんですね。

成年被後見人からすると、自分宛てに届いた、恥ずかしくて見られたくない文書なんかも、成年後見人に見られてしまうわけですから。

成年後見人が郵便物の転送を受ける必要性、そして、成年被後見人のプライバシーの保護、この調整がなかなか難しいわけです。

そのため、家庭裁判所が成年後見人への郵便転送の必要性を一旦は認めたとしても、状況が変わった場合には、「やっぱり郵便物の転送をさせるのやめます」ということで、取消・変更ということもあるんです。

そして、家庭裁判所は、成年被後見人のプライバシーを保護する立場にあるわけですから、成年後見人が郵便物を悪用しているなどの状況によっては、「やっぱり郵便物の転送をさせるのやめます」と言えるのです。

つまり、請求なんかなくても、家庭裁判所の職権で、郵便転送の嘱託の審判を取り消したり、変更したり、することができるのです。

また、郵便転送の嘱託の取消し・変更の制度は、「やっぱり郵便物の転送をさせるのやめます」の方向性のものですので、「やっぱり期間を短くします」はできますが、「やっぱり期間を長くします」はできないのです。

家庭裁判所は、郵便転送の嘱託の審判で一旦決めた期間伸長することはできないのです。覚えておきましょう。

解説担当:中亭講師

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