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問題2 Aの子B(30歳)が、Aに無断でAの代理人としてA所有の甲土地をCに売却する契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

 Bに代理権が存在しないことにつき善意無過失であったCが、Bに対し、民法117条に基づく無権代理人の責任を追及し、履行の請求をした。この場合において、その後に、BがAから甲土地を譲り受けたときは、Cは、Bが甲土地を取得した時に、その所有権を取得する。

 Cが財産的損害を被り、Bに故意又は過失があった場合において、Bに代理権が存在しないことを知らなかったことにつきCに過失があった。この場合、Cは、Bに対し、民法117条に基づく無権代理人の責任を追及することができず、また、不法行為に基づく責任を追及することもできない。

 Aがこの売買契約を追認又は追認拒絶しないうちにBが死亡し、AがBを単独で相続した。この場合、Aは、Bの無権代理行為の追認を拒絶することができるとともに、民法117条に基づく無権代理人の責任も免れることができる。

 Bに代理権が存在しないことにつき善意無過失であったCは、BC間の契約を取り消した。この場合、Cは、Bに対し、民法117条に基づく無権代理人の責任を追及することができる。

 Cが財産的損害を被り、Bに代理権が存在しないことにつき善意無過失であったが、Bは自己に代理権があると信じたことにつき過失がなかった。この場合、Cは、Bに対し、民法117条に基づく無権代理人の責任を追及することはできない。


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問題2 正解1

1 ○ 民法117条の定めるところにより、相手方が履行選択無権代理人が目的不動産の所有権を取得するにいたった場合、無権代理行為に基づく売買契約無権代理人自身と相手方との間に成立したのと同様の効果を生ずる(最判昭和41.4.26)。よって、本肢の場合、Cは、Bが甲土地を取得した時に、その所有権を取得する。

2 × 民法117条に基づく無権代理人に対する責任を追及するには、代理権が存在しないことにつき相手方が善意無過失である必要がある(民法117条)。また、相手方に損害が生じており、無権代理人故意又は過失があった場合、相手方は不法行為に基づく責任を追及することができる(民法709条)。よって、本肢の場合、Cは、Bに対し、民法117条に基づく無権代理人の責任を追及することはできないが、不法行為に基づく責任を追及することはできる。

3 × 本人が無権代理人を相続した場合、本人は、無権代理行為の追認を拒絶しても、何ら信義に反するところはない(最判昭和37.4.20)。もっとも、本人は、相続により民法117条に基づく無権代理人債務承継する(最判昭和48.7.3)。よって、本肢の場合、Aは、Bの無権代理行為の追認を拒絶することができるが、民法117条に基づく無権代理人の責任を免れることはできない。

4 × 無権代理行為の相手方が無権代理行為取り消すことにより、無権代理行為ははじめから存在しなかったことになる(民法115条、121条)。よって、本肢の場合、Cは、Bに対し、民法117条に基づく無権代理人の責任を追及することはできない。

5 × 民法117条に基づく無権代理人責任は、無過失責任と解されている。よって、本肢の場合、Cは、Bに対し、民法117条に基づく無権代理人の責任を追及することができる。

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