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行政書士受験生の皆さん、こんにちは。

大原の専任講師の松井です。

今回は「介護離職ゼロに向けた取組み」についてです。

以前に「ニッポン一億総活躍プラン」のご紹介をいたしました。

一億総活躍社会とは、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で、誰もが活躍できる、いわば全員参加型の社会です。

この「ニッポン一億総活躍プラン」で安倍内閣が掲げた目標の1つに「介護離職ゼロ」があり、これを実現するためには「安心につながる社会保障」が必要であるとしています。

社会保障問題については本試験でも重要な出題分野となっています。試験委員の先生方の中にも研究対象とされている方もいらっしゃいます。

では、まず介護利用のニーズについてご紹介しましょう。

要介護3以上の方は、2015年は213万人でした。約210万人と覚えておきましょう。2000年当時と比較しますと2.2倍に増加しています。

次に介護離職者はどのくらいでしょうか?

2012年では年間約10万人です。介護離職の理由として「介護サービスの利用ができなかったこと」等が挙げられています。

そこで政府は介護の受け皿を2020年代初頭までに50万人分を増加することを目標としました。

また、介護に携わる人材の処遇についての改善にも取組んでいます。

人材確保が困難な理由の一つとして、介護人材の賃金が他の対人サービス産業と比較し、低いことが考えられます。

以下、2014年度の数値をご紹介します。

介護職員の賞与を含んだ月額の平均賃金は2,623,000円です。これに対して他の対人サービス産業の賞与を含んだ月額の平均賃金は2,736,000円です。格差がありますね。

勤続年数についてみてみましょう。

介護職員の平均の勤続年数は6.1年です。これに対して他の対人サービス産業の平均の勤続年数は7.9年です。やはり両者には開きがありますね。

更に、介護職員は、離職率が高い傾向にもあります。離職率は1年間の離職者数÷労働者数で計算します。介護職員の離職率は16.5%であるのに対し、全産業の離職率は15.5%なのです。

この介護人材の処遇の改善については競合他産業との賃金差がなくなるよう、平成29年度からキャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当を改善することを目標としています。

そして多様な介護人材の確保・育成のための取組みとして返済免除型の貸付制度の拡充、高齢人材の活用、介護ロボットや、ICT等を活用した生産性向上等が掲げられています。

いかがでしたでしょうか?
ありがとうございました。

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