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行政書士受験生の皆さん、こんにちは。

大原の専任講師の松井です。

6月27日に厚生労働大臣は中央最低賃金審議会に対し、平成29年度地域別最低賃金額改定の目安について、平成29年度3月28日の働き方改革実現会議決定に配慮した調査審議を求めました。

働き方改革実現会議で3月28日に決定された内容とは「最低賃金については、全国加重平均が1,000円になることを目指す。」というものです。

地域別最低賃金とは、産業や職種にかかわりなく、各都道府県内の事業場で働く全ての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金です。都道府県ごとに最低賃金が定められています。

では、この制度は誰に対して適用されるのでしょうか?正社員のみでしょうか?

全ての労働者の賃金の最低限を保障するセーフティネットとして、常用、臨時、パート、アルバイトなどの雇用形態や呼称にかかわらず、原則として、各都道府県で働く全ての労働者と使用者に適用されます。

派遣労働者の方の場合の最低賃金は派遣元、あるいは派遣先のどちらの都道府県の最低賃金が適用されるのでしょうか?

例えば、派遣労働者のAさんが千葉県の派遣元事業所から東京都の事業所に派遣されているような場合です。

最低賃金は千葉県と東京都のどちらのものが適用されるのでしょうか?

この場合、「派遣先」の東京都の最低賃金が適用されます。

派遣労働者の方の場合は、派遣元の事業場の所在地にかかわらず、派遣先の最低賃金が適用されますので、派遣元の使用者とその労働者は派遣先の事業場に適用される最低賃金を把握しておく必要があります。

平成28年度地域別最低賃金時間額についてのデータをご紹介しましょう。

全国加重平均額は823円です。
最高額は東京都の932円です。
最低額は宮崎県、沖縄県の714円です。

最後に具体的に賃金が最低賃金額を下回っていないかどうか、チェックしてみましょう。

例えば、東京都で働くBさんが日給制、月給制の組み合わせで賃金をもらっている場合で考えてみましょう。

基本給を5,000円で20日分として100,000円受け取っていたとします。職務手当(月給制)を24,000円受け取っていたとしましょう。

1.基本給(日給制)を時間給に換算します。
 5,000円÷1日の所定労働時間(8時間)=625円
2.職務手当(月給制)を時間給に換算します。
 24,000円÷1か月の平均所定労働時間(160時間)=150円
3.上記の1.と2.を加算すると625円+150円=775円<932円

となり、最低賃金額を下回ることになります。

この場合、使用者は労働者に対し、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。

いかがでしたでしょうか?
ありがとうございました。

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